●米グーグル、ネット利用者の閲覧データ提供取りやめ(日経 2020/1/16)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54437490V10C20A1MM8000/

ついに、というビッグニュース。GoogleがついにブラウザーChromeの(サードパーティ)クッキーを外部提供しないことを発表した。GDPRなど個人情報保護の機運が急速に進み、結果、現在のアドテクが根幹から変わることになる。もうリターゲティング広告は廃れることになるのだろうな。

そんなアドテクのエコシステムの参加者は死活問題になるところもあるだろう。アドテクの領域には、クッキーを集めオーディエンスデータをセグメント化して販売するデータエクスチェンジャーや、複数の広告枠をつなげて取引するアドネットワークやアドエクスチェンジ、DSPやSSPというRTB(リアルタイム・ビッティング)の取引システム提供者、あるいは企業のマーケティングデータと連携させるDMPといった広大な領域が広がっている。こういった様々な領域のどの分野、どの企業が生き残れて、どの分野が廃れるのかな。すでに、GDPRの施行や個人データ保護法(クッキー法)の観点でデータエクスチェンジャーやDMPの立ち位置が問われていたのだと思うが、正直、この業界の現状はほとんど把握できていなかった(もともとこの分野への知見が浅いのでね)。

少しネットでこの記事への意見などの情報をさらったが、もともとサードパーティ・クッキー由来のデータは信頼性が低いので、今回のグーグルの措置の影響は薄いのでは、という声もあった。むしろ、人知れず莫大な個人データを集め続けるグーグルへの「悪の帝国化(?)」懸念の声のほうが多いかもしれない。

上記記事には「クッキーを利用した顧客分析を導入している企業も多いが、今後は難しくなる。外部からのクッキー収集に頼らず、自社で直接、消費者のニーズを探る取り組みも必要になる。グーグルは、企業向けにクッキー利用に代わる個人分析の新技術の開発を進める方針も明らかにした。各企業は、新技術への対応も求められる。」とある。

いずれにせよ、時代は“次”に移っているわけだ。

さて、話は変わるが、これまで何度かいろいろな人に語ってきたのだが、自分は個人の関心(≒情報)と企業などのニーズと資金を“つなげる”ビジネスは今後、様々な形で広がっていく気がしている。そして、「金融」(特にリテール)と呼ばれていた領域はそういった方向性に一部シフトしていくとも思っていて、現在、自分が推進しているものも新しい「金融」ビジネスに発展するかもしれない、と漠然と思っているHPにあるとおり、「アド・コマース(広告付き販売)」という言い方で説明しているが、「広告」というと誤解を招くかもしれない(これは企業も個人も参加できるので)。

ウェブ広告の世界が“次”のフェーズに向かう中、この新たな概念が存在感を示すことができれば・・・できるだろうか。。。できますとも!(たぶん)