●ブラジル大統領、マスク氏のTwitter買収「希望の息吹」(日経 2022年5月21日 4:13)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20ES90Q2A520C2000000/

先だってツイッターの買収を宣言したイーロン・マスク氏。とはいえ買収の行方は未だ予断を許さず、ここのところセクハラ疑惑など氏にアゲインストな話題も多い。
世界一の富豪となったものの、順風満帆とはいかないようだ。
うがった見方では、マスク氏がツイッター投稿に対し、これまでのフェイクニュース狩り・言論統制ともいえる恣意的な運営を改め、凍結されたドナルド・トランプ氏のアカウントも復活させる意向を示しているため、現政権・体制側から疎ましく思われている、という。もちろん真偽のほどは分からない。
この日経記事は、ツイッターを駆使して自己主張しフェイクニュース扱いも受けてきたブラジルのボルソナロ大統領がマスク氏と会談し、同氏のツイッター買収について「希望の息吹だ。世界には自由を盗もうとする人々がいる」と賛同の意を示した、というもの。マスク氏にとっては心強い言葉だろう。
(ブラジルはマスク氏率いるスペースXの衛星通信ネットワーク「スターリンク」を用いて、アマゾンの熱帯雨林監視や地方にある学校のインターネット接続で協力することも発表した。)

実は、マスク氏がツイッター買収意向を示してから、個人的に今後のツイッターのサービス動向が気になっている。
いつもの“妄想”気味で恐縮なのだが、自分が提唱していた「徳の経済」そして「スラマット(Selamat!)」のサービスを、ツイッターなら始められるのではないか、という漠たる思いからだ。

スラマットのコンセプトは、例えばコンサートチケットを売りたいアーティストが事前に投げ銭を募り、その集まった額に応じてチケット金額が元々の定価より下がったりタダになったりする、というものだ。
投げ銭する人や企業の投げ銭行動・金額はリアルタイムで開示される(フロー)。また、データベース化され、このデータベースも原則開示される(ストック)。第三者が様々な指標に基づき投げ銭する人や企業を評価できる仕組みだ。
こうして投げ銭を行う者たちが競い合うことで、第三者であるアーティストのファンを助けることで、広告的価値やファンからの畏敬の念を生む、という仕組みだ。

フローの開示の方は、「スラマット・ウィンドウ」というツイッターのつぶやきのような形態であまねく広く行いたいと考えていた(広告のRTBシステムを準用して)。
また、(第三者からの評価など)一定の条件に達した投げ銭者には「TOKU」というトークンを与えることで、広告効果や畏敬の念以外の実質的なメリットが提供できると考えている。

ツイッター社やマスク氏は今のところ全く考えていないと思うので大きなお世話だろうが、仮にツイッターがスラマットのサービスを始めることを考えてみる。
前者のスラマット・ウィンドウと投げ銭の仕組みは、現在、ツイッターが提供している「Tips」という投げ銭システムをそのまま使えば容易にサービス開始可能だ。

●(参考)Twitterの使い方:Twitterの投げ銭(Tips)とは?受け取り方・送り方まで分かりやすく解説(Insta Lab 2022.01.14)
https://find-model.jp/insta-lab/twitter-tips-manual/#i-4

あとは、
・リツイートに変わる(リツイートを援用する)第三者評価の仕組みを持つ
・投げ銭状況をデータベース化し、各種指標に基づき成績を開示できる仕組みを作る
・一定の第三者評価値を得た投げ銭者にNFTトークンのような形の報酬を与える
といったサービスを加えたらいい。

スラマット対象も、自分が最初に考えたリアル世界のコンサートチケットなどだけでなく、ゲーム関連のアイテムなど、メタバース内で流通されるものに重点を置いてもいい。
何なら、これから広がるメタバース世界に通底する価値観として「徳の経済」が有ってもいいと思う。
(色々説明をすっ飛ばしていて恐縮だが、メタバースという新しい世界には「徳の経済」という新しい価値観が似合うと思うのだが、どうだろうか。)

マスク氏のようなアイコン居れば「徳の経済」という新しい価値観を打ち出し、世の中を変えることが可能かもしれない。
自身のスラマットへの取り組みが尻すぼみとなり失意の日々の中、すっかり他力本願になってしまったが、将来、ツイッター社がそのような方向に向かうことを期待している。