酒と貧困と徳と得

●ビール類市場を酒税改正で崩壊させかねない「貧困問題」の根深さ(DIAMOND ONLINE 2020.10.2 5:15)
https://diamond.jp/articles/-/250146

「ビール代用品消費が正規品に比べ伸びているのは貧困が原因。今の酒税改正でビール復活、とはならず、ビール市場は半分に落ち込み、代わりにチューハイ消費が伸びる」という百年コンサルティング代表・鈴木貴博氏の考察。

酒類の嗜好と貧困の影響について、数値を交え解説。なるほど。自分もなんとなくそう感じていたが、より理解がクリアになった。
家飲み市場で発泡酒やストロング系缶チューハイの消費量が増えているのは、貧困、というと言葉はキツいが一般消費者の“懐の寂しさ”から来ており、この傾向が劇的に好転する確率は低い。

鈴木氏はこの傾向が今後、夜の街でも進んでいくと予測する。懐のさびしいサラリーマンにはビールは嗜好品になり手が出ず、アルコール度数が高い酒で手っ取り早く酔おうとする傾向が高まるのではないか、ということだろう。
酒に酔う時間が短くなり、その分、酒のつまみの量も少量で済むことから、居酒屋などの客単価も下がってくるのかもしれない。そうなると、現在のコロナ禍で夜の街自体が壊滅的状態だが、より深刻さを増すことになる。

今、コロナ禍でリモートワークが増え、家での飲酒量が増えたという声も聞く。リモートワークはもしコロナがおさまっても定着していくだろう。
健康志向で流行のスムージーを使ったカクテルスムージーなど、家で楽しむ飲酒バリエーションが増え、そのあたりに酒類需要の期待があるかもしれない。

一方、家飲みでは、ストロング系など度数が高い酒が好まれる傾向から、近年、アルコール依存症の問題が顕在化している。
今後、アルコール依存症が大きな社会問題になってくるかもしれない。
(心理カウンセラーや臨床心理士、公認心理士の需要が増加するかもしれない)

最近発生した中年アイドルの飲酒事故でのリアクションを見ると、社会はアルコール依存症についての理解と許容が乏しいと思われる。

●山口達也さんは「アルコール依存症の可能性が高い」…では何をすべきか?(現代ビジネス 2020.9.29)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75976?imp=0

この「ギャンブル依存症問題を考える会」代表・田中紀子氏の考えでは、彼はアルコール依存症と診断されるべき、ということのようだ。この記事はアルコール依存症対策としての自助グループの重要さを説いている(著名人自助グループへの言及も)。
そして、社会側の許容の必要性と、SNSなどで何でも叩こうとするバッシング社会への懸念・・・この問題の解決は非常に難しい。

どちらも「酒」のハナシではあるが、上の「酒と貧困」の記事と下の「依存症」の記事には直接的な関連はないので安易な論調は避けるべきだが、貧困化とアルコール依存の相関を論じるレポートもあるようだ。
(ただし、貧困がアルコール依存をもたらすというよりは、アルコール依存により社会生活が営めなくなった結果、貧困化するということのようだ)

現在、“富むもの”と“富まざる者”の分断が進行している気がするし、他を許容できないギスギスした風潮が広がっている気もする。
依存症に陥った者をよってたかって叩くのは、貧富の格差を生む政策が遠因なのかもしれない、などと言えば、それは非論理的な感情論だよ、と言われてしまうだろうか。

自分は今、「徳の経済」を提言し、ビジネスとして民間部門の富の再配分をになう仕組みづくりを提案している。クリエイティビティ―を中心に、お金を出す人が貴ばれ「徳」と「得」を得る、という仕組みだ。
こういった“他人のためにお金を出す”行為が尊重されてくれば、もしかすると社会における他への許容性は高まってくるかもしれない。
我田引水だが、こういった“問いかけ”はしていきたいと思う。

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