We should Work

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190921-30435790-bloom_st-bus_all
→「ボストン連銀総裁:シェアオフィス事業モデルが金融リスク生む可能性」(9/21(土) 10:47 Bloomberg)

ボストン連銀総裁のローゼングレン氏が「今度不況になったとき、シェアオフィスに貸している不動産オーナー、そこに貸している銀行は、不安かも」と言っているとかいないとか。
シェアオフィスを利用している身としては、正直、なんとなく迷惑な記事だ。

https://article.auone.jp/detail/1/3/6/3_6_r_20190921_1569056592479754
→「「共用オフィス」に警鐘=不動産市場のリスク-米連銀総裁」(9/21 16:00 時事通信社)

で、下の記事は、上の記事では「総裁が言及しなかった」と書いてある“ウィーワーク”の文字が前面に立ち、あたかも「総裁は“ウィーワークが危ない”と思っている」とでも言いたげ(?)な書きぶり。

「???」何でこんな発言が、この時期に突然行われたのだろうか? よくわからない。

不動産オーナーが優良な貸先を求めるのは洋の東西問わず当然で、一方で優良な貸先はなかなかないので優良物件にしか集まらない。一般論として空室が多いと人気が下がるので、オフィス物件の競争上、値段を下げて入居企業を確保しようとする不動産会社も多い。
そんな中、シェアオフィスは格好の貸先として特に都市部で急増している印象がある。

シェアオフィスというビジネスは、SOHOなどと言われたネットビジネス黎明期の頃からある古いビジネスモデルだ。オフィスを区分けし小さな部屋で仕切ったいわゆるレンタルオフィス型から、今はフリースデスクやフリースペースとして共同利用する領域が増えてきている印象がある。
最近では有望なベンチャー企業を発掘・育成し起業家コミュニティー化しようと、インキュベーションオフィスという名目でシェアオフィスを作る形態も増えており、ベンチャーキャピタルなどが積極的に投資している。
前述の空室率を減らしたい不動産業者側のニーズもあって、自由闊達な雰囲気を伴ったインキュベーションオフィスをそのオフィスビルの“顔”のような位置づけにする運営形態も増えてきている。
不動産業者側も、将来の借り手候補となる有望成長企業にコネクションを得たいという期待もあって、インキュベーションオフィスには好意的だ。

さらに今後、企業人の働き方が大きく変わっていく可能性がある(自分はそれを強く期待している)。昭和チックな昔ながらの大企業のように、毎日朝から晩までオフィスに縛られて非生産的な仕事を続けなくても、リモートワークやテレワークで個々に仕事をして、集約するときだけ集まる、というほうが機能的だ。副業も促進できるし、そういう機運が高まれば、今、大企業のような大きな組織で働いている人が、独立してベンチャー企業を興すことも増えてくるだろう。
そんな多様な働き方のニーズをシェアオフィスやインキュベーションオフィスが拾っていくことになる。だから、単純化はできないが、イノベーティブなベンチャーが増え、多様な働き方が認められ推進されることと、シェアオフィス需要が増えていくことは正の相関性があると考えられ、(記事はアメリカの話だが、日本において言えば)日本が“変わる”ためのインフラ整備の条件の一つである、ともいえるだろう。

一方で、確かにシェアオフィスが急速に増えすぎなきらいもないではない。中堅以下のシェアオフィス業者の中には条件の悪い物件にしか入居できないケースもあるだろうし、過当競争の中で不人気化し、賃料すら払えず事業が立ち行かなくなるようなところもあるだろう。

でも、それって、不動産業者と店子の関係で考えると、別にシェアオフィス業者に限った問題ではない。どんな企業でも、業績が悪くなり賃料さえ払えなくなることはあるだろう。

たとえ、金融機関がオフィス需要を見越したビル建設や不動産投資を強く推奨し、これまで貸し込んできたとしても、それは銀行の個別判断の問題だ。仮にそれらのローン債権が証券化され幅広く個人投資家層に販売されていたとしても、それも投資リスクの範疇だろう。

で、この記事に話を戻すと、ローゼングレン総裁は「(シェアオフィスというビジネスは)商業用不動産の分野で金融安定性に対して新たなタイプの潜在的リスクを生みつつある」と述べている・・・「金融安定性」って!

例えば、低金利・金余りが生んだ日本のバブル期の不動産投融資への偏重は、金融システムの安定性を大きく損なうものだった。実際、住専問題に始まり、信金信組の破綻、ひいては大手都市銀行への公的資金の投入を経て多くの銀行が統廃合された。バブルの後始末で日本は失われた10年やら20年やらの年月が費やされた。

そのバブル期の日本の不動産投融資への偏重と、たかだかシェアオフィスがらみの現在のアメリカの投融資額が、同様のインパクトを持っているとも思えない。「金融の不安定性」という言葉は、本来、(シェアオフィスという)一事業形態などに軽々しく使われるべきものではないはずだ・・・実際の投資金額の比較をデータとして持っていないので、これはあくまでも自分の感覚的なものだが(なので、もし自分が思っている以上に大変な状態だったとしたら、不明を恥じるしかない)。

だから、冒頭の自分の疑問「???」は、どうしてことさらシェアオフィスというビジネス業態を“金融リスク”という切り口で取り上げる必要があるのか、という素朴な疑問があったからだ。

さて、自分がこれらの記事を読んで、“何でこんな発言が、この時期に突然行われたのだろうか?”と感じたのは、やはり「ウィーワーク」がポイントだ。

ご存じの通り、ウィーワークの現在の大口株主はソフトバンク(具体的にはちゃんと知らないが、孫さんが持つ財布のどれか)だ。前の株主から“高値掴み”した、という風評もあるし、孫さんのことだから、何らかの方法で株主価値を高めていずれ利益を載せて売るよ、という人もいる。

そのウィーワークは先月、ニューヨーク証券取引所に上場申請し9月中の上場をもくろんでいたが、延期報道が流れたりもしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190917-00000038-reut-bus_all
→米ウィーワーク、IPO延期を検討=関係筋(9/17(火) 9:20 ロイター)

なので、ボストン連銀総裁の言葉を聞いてがっかりしたのは、シェアオフィスを利用しシェアオフィスの発展を期待している自分などよりも、はるかにソフトバンクの孫さんがそうだったはずだ。
「ちみちみぃ~、こんなときに、何を言ってくれてんのさぁ! 嫌がらせなの?」

まあ、嫌がらせってことはないでしょうが・・・。
でも、「陰謀論」好きの自分としては、結構その可能性もあるのでは? と考えてしまう。
孫さんという人は、事業家というより投資家、あるいはファンド運用者に近い存在だ(自分などが勝手に言っているわけではなく、ユニクロの柳井さんや日本電産の永守さん、あるいはホリエモンなんかも、別に悪い意味ではなくそう言っている)。
彼は卓越した先見性で将来のビジョンを描き、その未来像を達成する際に活躍するであろう企業をグローバルに買収してきた。その範疇はアメリカ、ヨーロッパ、中国、と幅広い。

ところで、昨年のファーウェイ問題発生から顕著化しているが、世界はすでに「アメリカ陣営」「中国陣営」にビジネスが分断される方向に進んできている。いや、その流れを食い止めようとする動きもあるが、以前のようにグローバルに一つの価値観で動く、という行動がとりづらくなってきている。

国の覇権をかけた軍事的対立であり、あらゆる“情報”が戦略的に利用される昨今、「両陣営をまたにかけた情報産業」という存在自体が成り立ちづらくなってきているように思われる。
そんな中、(アリババや滴滴など)中国の主要企業にも投資をしてきた孫さんは際立った存在だった。トランプ大統領だって「で、お前はどっちの陣営なんだよ?」などと言わずに付き合っているように思う・・・これまでは。

だからこそ、こんな下種なことを、つい想像してしまう。
今回の発言でウィーワークの上場が延期されたり、株価が下落したりして資金面の手当てが必要になったとして、その時に売るのはどの株なのか? で踏み絵を踏ませているのではないか???

でも、ちょっと調べたらローゼングレンは今回の0.25%の利下げに反対していたなど、必ずしもトランプ寄りではない様子。う~む、さすがにトランプ→ローゼンのホットラインは無いだろうなぁ。

・・・と、下手な想像を巡らせても、時間ばっかり過ぎていきますな。そんな無駄な時間を過ごすより(とはいえ、こういったぐるぐる志向は大事!と思っているが)、自分はきちんと稼がねば。I should work…

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