https://toyokeizai.net/articles/-/241525

→10/5付東洋経済記事『豊田章男が孫正義にどうしても頼りたい事情』

ここ最近、巷を最もにぎわせているニュースが、トヨタがソフトバンクと組んでモビリティサービスの「MONET Technologies(モネテクノロジーズ)」を設立・運営していくというもの。確かに、胸を震わせられるニュースだ。

常々、豊田章男社長はこれからのトヨタの経営方針の転換(自動車→モビリティサービス企業宣言)を誓い、「勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬかだ」とおっしゃって来た。そのパートナーとして最後の最後に狙い定めたのがソフトバンクというわけだ。

車のケータイ化、IoTの促進、自動運転とシェア時代を見越して、完成車のメーカーの道を捨てインフラサービスを担う側に立つ道へ毅然と踏み出した。

孫さんと豊田さんには、20数年前の因縁なども有るらしい。逆にそれもいい。そういった小ネタ含め、いずれ、歴史的な「物語」の中で語られる一つの大きな分岐点と言われるようになるだろう。

以前、「少し変わった方向からのご提案20180215」に書いたような世の中が急速に訪れつつあることを実感する。

 

http://www.sankei.com/economy/news/181006/ecn1810060019-n1.htmlhttps://www.sankeibiz.jp/business/news/181006/bse1810062027003-n1.ntm

→三菱UFJ信託、フィンテック系人材を3年で3倍に

以前から気になっていた、三菱UFJ信託の「情報銀行」化への道の件。これも、時代を見据えた企業選択なのだろう。3倍といっても、元の母数がわからないので“すごいね”なのか“ちゃちいね”なのかわからないけれど。

浅薄で粗忽な自分としては、もう完全に「日本政府は信託制度を軸にした(一定の介入も可能な)情報銀行を利用した個人情報(データ)の使用許諾体系をつくり、それをグローバルに打ち出すつもりなんだな」と妄想を深めている。それならそれで悪いとは言いません。

けど、いくらIT人材を大幅に増やすといえ、それ以上に余剰人材化した古い頭の金融ムラの方々を残したままで、本当にその世界が実現できるのだろうか?

 

“日本丸”“日本企業の大連携”“日本再生プラン”。自分も日本人なので、この言葉の響きに弱かったりもする(これに“官民一体となった”が加わると、若干、感情的になるが(笑)(10/15追記:参照))。

大国の覇権主義化、エネルギーシフト、そしてAIの進化を軸にした産業の大変革。この動乱の時代に国の総力を挙げて国難ともいえる嵐を乗り切ろう、という姿は好ましく映ったりもする。

前の記事で言うと、ライバルはモロ、GoogleほかGAFAたちだ。しかし、弱肉強食の国際競争においては、大トヨタといえども生存の道は甘くはない。

後の記事でいうと、規制・規制で逆に既得権益者として守られ続けてきた金融業界に至っては、グローバルなフィンテックの波に飲みこまれて急激な人材余剰を生ませないことに必死だ。今回の「情報銀行」化も、以前書いたように、ただ“看板を残す”ための経営戦略のように矮小化されているようにも映る。

 

自分はずっと金融業界にいたわけだが、その後、映画業界に移ろうという頃にお会いした元某長期信用銀行系の役員競争をして敗れた方(自称)がおっしゃった言葉がずっと胸にある。

「金融など、いくら時価総額が大きくなろうが社会的評価が高かろうが、しょせんは何も生み出していない虚業だ。金を右から左に動かしているだけだ」「それなのに金融屋の馬鹿どもは自分たちが偉いと勘違いし続けている。それは霞が関の官僚も同じだ」「日本はトヨタとパナソニック(等)で持っている国なんだ。彼らが没落すれば、日本が没落する」

東大卒、国際金融畑を長く歩んでこられた老エリートのその方の言葉は、ずしん、と響くものがあった。

そしてもっと言うと、そんな日本を支える大企業(メーカー)である彼らですら、大企業病で官僚主義に陥り、本当の意味でモノづくりの中心を担う存在ではなくなってから長い。既存企業が産業の中で固定化・構造化し、イノベーションを起こすベンチャー系中小企業が入る余地が限りなく狭められた。中小企業といえば、疲弊する下請け、孫請け・・・『下町ロケット』の物語を安直にほめそやすことは、日本全体にとっては必ずしも得策でない気さえする。。

 

とはいえ、「じゃあ、トヨタや金融機関が没落したらいいと思うの?」と言われれば、そこまで積極的に賛同できないわけで。金融機関のほうはともかく、トヨタの栄光にぶら下がって日々暮らさせていただいている日本人の一人とすれば、トヨタの没落は死活問題、と言っていいのかもしれない。

 

実は日本は今、存亡の危機にあるのかもしれない。それこそ“官民一体となって”国難を乗り越えるべき時なのだろう・・・うん? 矛盾してるな(笑)

いやいや、そうではありません。一言でいうと、それは「個人が自立する世の中への転換」であり「組織人よさようなら」への政策転換のはずです。

いまだに「働き方改革」には(10/15追記:ホワイトカラー・エグゼンプションで、)“残業させ放題”“企業優遇政策”と批判が多いが、例えばテレワークの推進だったり副業促進やスモール起業による緩やかなビジネス・チームの形成だったり、個人が自立し、イノベーションを起こしうる道は、みんなの“働き方”を変えることが根本にあるのは間違いない。(10/15追記:そもそも、こういった”改革”を直視せず、大企業においては「過労死防止のために残業を減らしましょう」という観点での管理強化としか捉えられていないのが残念に思う。本来、真摯に生産性を高めてイノベーションを起こすための抜本的な改革に、企業も従業員も向き合わなければならないと思う。)

 

そして、それを始めるのはいつだって遅くはない。例えば、わが社が住所を構える銀座アントレサロンさんでは、「ゆる起業」と称して、定年前後のシニア層に起業を促進しており、注目を集めておられる。

“悪あがき”などのネガティブな声もあるかもしれないが、“人生再チャレンジ”、という言葉は個人的には非常にポジティブにとらえている。同じように考える人が増えれば、この国は変わっていくだろう。。。一方で、厳しい現実の前で、そんなの、空ぜぇん~絶後のぅ!夢想家であることは間違いないが。

でも、夢想家って言葉も、なかなかいい響きではないか。冒頭の孫正義さんだって外から見たら完全な夢想家だ。日本電産の永守さんとユニクロの柳井さんが、「自分たちは夢想家三兄弟だが、その長男は孫さんだ」とおっしゃっているらしい。

そんな孫さんがトヨタと組んで新たな“日本丸”を形成していこう、というのであれば、彼らの栄光に日々ぶら下がって生きることになるかもしれない(?)日本人の一人としては、大いに夢想家になってみればいい・・・などと、ドン・キホーテ宣言(笑)