『真央ちゃんになりたい』では、主人公の父親は“エネルギー関連”の仕事に就いている組織に積極的に隷属して生きるちょっと嫌な感じの奴な設定にした。

お上と大手電力会社とのコネクションを軸にビジネスを進める守旧派に属する彼は、新たにスマートグリッドをIoTと絡めて家電などの企業体と一緒に推進しようとする革新派を追い落とす。しかし、社内力学が変わり、彼の会社での居場所がなくなって初めて、「自分には大事な息子がいる。自分自身の人生がある」と思い至り、新たなチャレンジに挑む、そういう話になっている。

思えば、自画自賛だがそんな頃から“エネルギー業界”を対象にしたのは、我ながらいい着眼点だったのではないかと思う。

少し変わった方向からのご提案20180215

ここでも書いているが、エネルギー・電力を取り巻く環境は、今後、大幅に変わっていくように思う。

とはいえ、自分が初稿を書き上げたのは2010年末で、まだまだ自分にはスマートグリッドやエネルギー政策について知識がなかったし、そもそもIoTという言葉などまだバズワードとしてすら聞こえていなかった。
なので、その辺はあくまでも物語の背景として“垣間見せている”程度なのだが。
(あと、今では当たり前の「スマートメーター」という呼称だが、原稿を書いていた2010年夏ごろに参考にした本に基づき、脚本では「グリッドメーター」と書かれていたりする。)

このストーリーを、ソチ五輪をターゲットに実現化させたかった。
せっかくとても優秀な監督さんが「もし、本当に櫻井さんがお金を集められるなら、撮ってもいいですよ」とおっしゃってくれていたのに。

悔しい、本当に。
自分自身の力量の無さが。
(さすがに、もう題材としては古く、実現は難しいかと思ったり。。リノベーションの可能性など、決して諦めるべきではないのかもしれないが。)

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