だから、ここに大きな“ファイナンス・ニーズ”が発生する。
これまで、日本の映画は製作委員会方式という「身内でお金を集めてみんなで映画ビジネスをしましょうね」というファイナンス方法しかほぼ無かったと言っていい。

一方、制作会社のプロデューサーがお金を集めて映画やドラマを作り、納品さえすればNETFLIXからMG(やレベニューシェア分の報酬)、あるいはフラットの報酬が確実に受け取れるのなら、その確実な収入を見越したブリッジファイナンスのニーズや、「MG+レベニューシェア分の報酬」を期待収益(キャッシュフロー)の源泉としたリスクマネーの供給ニーズは間違いなく有る。

これまでは投資家からすると「映画はバクチ」だったし「テレビドラマには投資すらできない」だったが、NETFLIXという巨大プラットフォーマーからの資金回収という信用力の高い案件ならば、資金の出し手と取り手をうまく“繋げ”れば、巨額なお金集めだって可能だろう。
これは「コンテンツファンド」に近い考えだし、ハリウッドなどグローバルな資金集めのやり方と同じだ。
そしてそれは、「日本のクリエイターによるグローバルな映像コンテンツの制作」という大海を拓き、制作費の巨大化~制作陣の生活基盤の下支え~産業規模の増大という好循環をもたらすだろう。

やっぱり、巨大プラットフォーマー独占時代こそ、「コンテンツ・イズ・キング」なのだと思う。

 

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