●NTTが「GAFA対抗」なりえる為に欠かせない条件 ドコモ完全子会社化の先に見える展望と課題(東洋経済オンライン 2020/11/17 10:00)
https://toyokeizai.net/articles/-/387935

ドコモ子会社化を決めたNTTがこれからGAFAに抗するためには「裏側のインフラ・プラットフォームだけでなく、直接消費者にサービスを提供し、カスタマーエクスペリエンスを追求するBtoCビジネスの気概を持て」という、立教大学ビジネススクール教授の田中道昭先生のご解説。
全く知識なしに余談なく読んだ記事だったが、とても勉強になった。
これから、この記事をベースに、
「今回の統合は、トヨタと組んだスマートシティ構想でGAFAに先んじてプラットフォーム覇権を握る狙いがあるのは明らかだよね」
「NTTスマートシティ構想は、GAFAのような広告モデルではなく各都市にパーソナルデータ取得のイニシアチブを持たせるので、競争力を持つ可能性があるよね」
「NTTは次代の覇権を狙って、O-RANで世界の5Gのルールを変えようとしていて、IOMN(アイウォン)で6Gをけん引していくはずだよ。NECががっつりパートナーになるね」
といった“知ったかぶり”を始めようと思う。

とはいえ・・・じゃあ、スマートシティ構想の先に、パーソナルデータという宝の山を使ったビジネスにはどう参画するつもりなのかまったくわからなかったりするので、本当は、この記事限りではNTTがGAFAに対抗できるか“何とも言えない”のだけれど。
山一時代の古い記憶で恐縮だが、ようやく世界中にインターネット回線が行き渡り発展していた1997年に「これからは『CALS(commers at light speed)』の時代。AT&Tなどがお勧めです」的な新ファンド案があった。その後AT&Tは『CALS』の覇者にはなれず、ORACLEやインテル、あるいはより上位レイヤーのGAFAなどが時代をけん引していったわけで・・・NTTもその轍を踏まねばよいが。

いずれにせよ、そう遠くない将来、5G・6Gをベースに様々なデバイスから収集される膨大なパーソナルデータの取得・移転・活用ルールが、片やAI発展のための積極活用の方向と、片やGDPRはじめ個人情報保護を意識したプロテクティブな方向(11/18追記:、および、覇権を争う大国の意向)の綱引きの中で、決まっていく。
NTTだけに限らないが、出来れば日本企業、特にNTTにはGAFA・BATHの後塵を拝さないよう期待していたい。

ところで、この『少し変わった方向からのご提案 今、中堅企業が考えるべき「PR」とは?』で書いたように、自分は、スマートシティ、いや、これからの“社会そのもの”は、スマートグリッドを介したエネルギー効率化とパーソナルデータ取得をベースにした情報ビジネスを基軸として、消費喚起のための各種データのパーソナライズ化の方向に発展するであろう、と予測してきた。
この予測の方向性は間違っていなかったと思う(前述のとおり、NTTが標榜するような?広告モデル以外のマネタイズの方向性は、まだくっきりとは見えてこなかったりするのだが)。
でも、上記記事にあるように、世界中がスマートシティを次世代のビジネスプラットフォームと位置づけて競争を始めている中で、NTT・トヨタ連合含め日本勢は全くトップランナーではないのが実情だろう。

このブログで何度も何度も書いているが(たとえば、『変われないのか、変わりたくないのか⑥』で)、2010年末に書いた『真央ちゃんになりたい!』という脚本に、「社内で、民間メーカーと組んでスマートグリッドを推進する革新グループと、お役所・電力会社のコネを頼りに現状を変えようとしない守旧派グループの対立」を盛り込んだ。

脚本を書いた当時も現在に至るまで、必ずしも直接業界の実情を知っている立ち位置にいるわけではない。でも、自分が『真央ちゃん』で書いた予言(?)は的中しているのではないだろうか。
「変われない日本社会」「変われない日本企業」「変われずにはたらく人(特にオジサンたち)」が変わらないままずっと時が流れてしまったのではないか?

●日本が「都市のIT化」で世界に遅れた苦い事情 「スマートシティ」が日本で実現しなかった訳(東洋経済オンライン 2020/10/15 6:10)
https://toyokeizai.net/articles/-/379792

ジャーナリストの千葉利宏氏がまとめているこの記事では、
「しかし、こうしたスマートシティの将来像に強く抵抗したのが日本の電力業界だった。」
「2050研究会には電機メーカーやITメーカーも参加していたが、大口顧客である電力業界に明らかに配慮していた」
「管理主体が国、都道府県、市町村とバラバラで、実際の運用は警察が行っているため、新しいサービスを提供するハードルが高い」
など、明らかに、実態として「要は、変わりたくない人たちが『変わりたくない』で押し切っちゃって、そのままなんでしょ」ということがわかる。
本当に・・・嫌んなっちゃうぜ。

さて、こんな壮大なマクラ(NTTの話-スマートグリッド・スマートシティ-自分の予測の確かさ)を書き連ねてきて恐縮だが、最後にしょぼいオチを。

実は先日、1年以上前に書いたブログ記事『ご無礼ながら、甘えるな!』にコメント投稿してくれた方がいる。
この記事は「東芝子会社の社員の不遇」を語る新聞記事に対し、彼らに十分に同情・共感も示したうえで、さりながら「(東芝なんだから)仕方ないよね」と書いたものだ。よく読めば、シンパシーも、自分がこれを言う理由も十分わかるはずだ。
なのに、そのコメントは、いきなり「オマエ」よばわりで、当方を「バカ」「ボケ」と一方的にののしる内容だった。正直、非常に憤慨している。

自分も大人なので、(コメントをいただいたこと自体はありがたいので)コメント欄にはお礼を返している。
投稿者がどういう人物かはわからない。東芝子会社社員に同情的だからと言って、ご当人ではないだろうと推察している。とはいえ、おそらく世の「変われないまま今に至るオッサン」の一人なのではないだろうか(勝手な決めつけで、申し訳ない)。

いきなり見も知らぬ他人に「オマエ」だの「ボケ」だの罵詈雑言を投げつけるような人間は、控えめに言って「クズ」だと思う。
あなた(投稿者)に私から言えることがあるとすれば・・・「アバダケダブラっ!(名前を言ってはいけないあの人風)」
どうぞ、あなたはそのまま、ヴォルデモート卿の最期のように、干からびた謎の物体のようでいてください。