先日、情報銀行についての記述(※)をしたが、これからの世の中を考えた時、どうしてもインターネットを介して収集される行動履歴などの広い意味での個人情報を「誰が」握って「何に」活用するのか、情報を提供する個人は「何を」対価として得るのか、ということが避けて通れない。

http://www.lifeisentertainment.jp/2018/07/18/%E9%A0%93%E7%8F%8D%E6%BC%A2%E3%81%AA%E8%A9%B1%E3%81%AA%E3%82%89%E3%80%81%E6%81%90%E7%B8%AE%E3%81%A7%E3%81%99/

 

構図でいうと、(主に)アメリカのグローバルIT企業 vs EU、という構図なのだろう。勿論、映画『スノーデン』で垣間見る国側の横暴や、様々な陰謀論なんかを含めて色々と穿って考えれば、そんなに事は単純ではないのかもしれないが(国際金融資本、グローバリスト・ナショナリスト、コミンテルン、ユダヤ、CIA云云かんぬん・・・ついついハマってしまう)。

 

https://wired.jp/series/gdpr/07_data-wars/

 

この記事はEU寄りのようだ。5月29日に全面施行されたGDPRを歴史的出来事として説明している。100年前の(上記陰謀論を想起させる)ロシア革命に起因するその後の東西冷戦と照らしてこの新たな対立構図を説明している。

 

自分は新たなチャレンジとして、これまで「PR」を入口に様々なウェブマーケティングの技術について後追いで学んできてた(専門的なレベルではなく、あくまで概論だが)。そして、古い頭ではこれから生きていけないかもな、と思い知らされた。

 

すでにGoogleやFacebookなどがこれまで築いてきたデータ経済圏では、彼ら「巨大プラットフォーマー」が顧客(個人)に“free”で様々なサービスを提供する代わりに、彼らは独占的な富(=個人情報)を一手に得ている。そして、そのデータを活用した各種サービスを提供する(主に)マーケティング系の会社などが企業などに新たなソリューションや価値を提供し、そこに全く新しい広大な市場が開けている。IoTなんかも実際、この文脈だし、AIの活用という相乗効果で世の中はさらに爆発的に変わっていくことが予測される。

 

なので、実際にほとんど認識の無いままに情報を吸い上げられてきた哀れな子羊である一個人としては、「正直、嬉しくはないけど、便利だからしょうがない」くらいに諦めかけて(?)いたのだが。。

 

もし、GDPRが世界の基準になるのであれば、それは「インターネット=free」の経済圏を破壊することになるのかもしれない。勿論、理想を言うと個別に許諾して提供した情報が利用されるごとに提供者である個人が利益を享受する余地がある、ということかもしれないが。しかし、情報銀行などといっても、営利を目的にせざるを得ない以上、提供者の個人に支払うべき対価は別で得なければならないはずだ。

 

正直、GDPRについては不勉強のためつまびらかではない。この記事だけ読むと、ルール(法律)は決まったが、オペレーションは決まっていないような。オペレーションを遂行するための技術的問題点も多くが解決されていない、ということらしい。

それでも、「いや、うちはきちんと対応してますよ」と示すべく、各国の多くの企業が認証を得るための準備を整えるだろう。日本では個人情報保護法の改訂が見込まれているようだ。

とりあえず、各国の弁護士の先生方は今後、この分野での食い扶持が大幅に増えることは間違いない。

 

一方、提供者と間で何らかの問題があったら、最終的には一時データ取得者である巨大プラットフォーマーにその咎を押し付けることになるのだろうか。

 

EU、対応国:「個人データ取得のルール化しましたよね? どうしてきちんと取り扱えないんですかっ?」

Googleなど:「いや、そりゃ、その・・・チキショー! ふざけんなっ! お前らが勝手に決めただけじゃんよ。俺だって努力してるし、でも、無理だし。いいのか? 俺らのサービス使えなくて、いいのか?」

○国、非対応国:「だから、個人の権利なんて認めさせずに、強権的に奪っちゃえばいいんですよ。ほっほっほっ」

個人:「・・・」

 

いったいどうなりますことやら。