NETFLIXに関する特集記事を読んで、雑記。

日経ビジネスオンラインに「ネットフリックス、世界同時配信の裏側」という特集が組まれている。

 

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/052400220/052400002/

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/052400220/052400003/?i_cid=nbpnbo_lfct

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/052400220/052400004/?i_cid=nbpnbo_lfct

 

非常に面白い記事だった。

 

現在、巷では、その旺盛なオリジナル作品製作意欲についてのみよく取り上げられているが、動画配信を支える技術力をベースに、ユーザーフレンドリーなUX/UI、ローカルでのカスタマイズ化と、“総合力”で「グローバル(プレミアム)動画配信プラットフォーム」のデファクトを取りに行こうとしているのがわかる。

 

また、視聴者のネットワーク化機能は他のSNSに任せるなど、無駄に範囲を広げず、大きな“インターネット社会”の中での自分たちの立ち位置を純粋化してみせることで、動画配信プラットフォーマーと言えばNETFLIX、という認知を得ようとしている。

 

記事に「広告モデルではなく会員制モデルなので、顧客属性データなどを外に売ることはないため、現在、問題視されているFacebook等のSNSとは一線を画している」という趣旨の説明が有った。

実際、会員登録の際に男女の属性すら入手していないよ、ということだ。

なるほど。

 

しかし、実際には各種データ(個人情報が特定されるような個別の属性情報ではなく、大きな流れとしての属性ごとの視聴動向のデータなど)は自社内のみならず、外部提供、あるいは外部データとの相互利用によって収益の糧になるのではないか。

 

主にB2C企業では、MAツールやCRMツールなど、既存あるいは見込み顧客の情報を適正管理し、マーケティングに活用するのは当たり前になってきている。

また、会員制ビジネスを営む多くの企業(金融系など)は、そういった企業に、個人情報単体でなく嗜好性や行動を示す大きな履歴データやそれを活用した分析情報を売り(提供し)、企業もそれを活用して商いに繋げる、というWIN-WIN状況がすでに確立されている。

 

自社が「メディア」という特性を持つSNSや検索サイトなどの大手プラットフォーマーは、クライアント企業の自社メディアでの広告に資するため、あるいは“自社以外”でのマーケティングに利用することを含め、クライアント企業の持つデータと各SNSのデータを相関的に利用したサービスを提供していると聞く(第三者のサービサーを介在させるようなケースが多いように思う)。

 

なので、自分は、プラットフォーマーが持つ莫大な属性・行動履歴データは、様々な分野で再利用されることがすでに「常識」であり「前提」条件になっていると思っていた。

こういった前提をNETFLIX経営陣が商売の糧として考えていないということはないと思うのだが・・・。

実際、グローバルな会員一人一人がどういった嗜好性でどういう作品に興味を示したか、という視聴履歴のデータやその偏向性をまとめた分析結果は、個人向け商品を売りたい企業にとっては非常に有用なはずだ。

現在のNETFLIXの会員制モデルは、あくまでも将来の広告モデルやデータを活用した新しい収益化のための布石だと思う。逆に、そうでなければ、株式市場で現在のような評価は得ていないはずだ。

 

もしかすると、NETFLIXが「自分たちはFacebookやGoogleたちとは違う」と言い張ろうとするのは、現時点で投資家からの不興を買わないための建前論なのかもしれない(完全な個人の憶測だが)。

 

Facebookショックに端を発した、今のこういう個人情報の取り扱いへの世界的なハレーションが、IoTを含めたビッグデータの活用全般でそのスピードを滞らせてしまうのかなあ、、、などと思ったりもする。

 

一方で、グローバル企業や国による無軌道なビッグデータの収集は一定の制限を設けるべしという考え方にはうなずける側面も有る。

例えば、中国ではいくら個人が不満を述べようがどうしようが自分たちの生み出す情報が知らぬ間にごそっと企業→国(共産党)に収集される状況になりつつある。

<2018/6/1修正:以下追記>これは、映画『スノーデン』で示された通り、アメリカやほかの国だってよく似たものだと言えるかもしれない。

これによって国が強権的かつ恣意的に個人を虐げるような状況が生じかねないといった懸念が有り、それは大いに心配である。

さりながらAI開発の面では取得されるデータは多ければ多いほどよさそうだし・・・。

 

おっと、NETFLIXの記事紹介という本旨から外れてしまった。

 

前に書いたブログhttp://www.lifeisentertainment.jp/2018/04/16/%E3%80%8C%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%80%8D%E3%81%AF%E5%B9%BB%E3%81%8B%EF%BC%9F%E2%91%A8/

<2018/5/31修正:リンク先の訂正>

の通り、自分はNETFLIXの作品視聴データは作品自体の潜在価値そのものを“見える化”しうるものだと思っているし、その情報の一定条件下での開示・共有化によって、コンテンツファイナンスの土壌を開くことになる、と期待している。

 

これからも、こういった情報には注視していきたいと思う。

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