でも・・・。
それでも、自分は正直、「もったいないよなあ」と思っていた。

確かにエンタメファイナンスも海外を絡めた映画の国際共同製作などのビジネスも、国内のメジャーなプレイヤーからすると愚にもつかなく映るものだったかもしれない。

でも、そこに落ちている“異界”の「タネ」をとにかく拾ってみて、芽吹けば御の字、芽吹かなければやむなし、くらいの軽い気持ちで、フレキシブルに、機動的に、動いてみたらいいじゃないか。
せっかく、友人・知人がその“異界”から現れたのだから。

「もしかしたら世の中は変わるかもしれない(その可能性が全くないわけではない)」と考え、情報交換のような軽いコンタクトでもあればよかったのに、と思っている。

言っておくが、これはその友人への“個人攻撃”のつもりでは全くない。
むしろ、こういうフレキシビリティーの有る考えの持ち主が、特に日本の大企業には少ないよな、ということが言いたいのだ。
なかんずく、我々の世代に。

正直、山一證券の破たんを経験し、最終的に“組織人生”をスピンアウトした自分から見ると、若干、“異様に”すら映る。
東芝、神戸製鋼、シャープ・・・組織の中で生き抜くことを主眼におき、周りを、そして未来を見ずに生きている人たちのいかに多いことか。

「世の中は変わらない」

そう思い込んでいるようにすら見える。
もちろん、311を経て、あるいは昨今の東アジア情勢の緊迫化などを受け、世の中が大きく動こうとしていることを感じている人は少なくないと思うのだが、こと“自分を取り巻く世界”については、不変であると信じ込んでいるように見える。

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